ふわりぃランドセルのプレミアムⅡ、Ⅲの中マチは筆箱が入る優れもの
ランドセルの内側は、一番大きく教科書や副教材を入れるメインの大マチ、小物などを収納する中マチ、散らばりやすいものなどを収納するファスナーの付いた小マチ(前ポケット)に分かれています。
一番大きいメインの大マチばかりが重視されていて、中マチ、小マチは軽視されている傾向があり、中途半端なサイズの中マチには大したものを入れることが出来ないため非常に使い勝手が悪いものでした。
小マチも同様で、ファスナーが付いているので鍵など落としたら困るものを入れるには便利ですが、絶対的な容量が小さいためなかなか使う機会がないものです。
中マチ、小マチは、せっかく付いていても殆ど使わない無駄なスペースと化しているのが現実です。
最近ではあんふぁんランドセルのように縦横スーパーワイドサイズと謳って、使い道のない中マチを極薄タイプにして、そのぶん大マチのマチ幅を13.5センチという巨大なサイズにしたものも登場しています。どうせ殆ど使わないものなので極限まで小型化して、その分メインの大マチのスペースを取るという設計思想になります。
それとは逆に、中マチを大型化することで筆箱を収められるほどのサイズにして、中マチを有効活用するような設計思想のモデルも登場してきています。どちらかというとこちらのほうがメジャーですね。
本日は、そんな大型の中マチを採用したモデルの中から、安心の大手メーカー製の2モデルをご紹介いたします。
形成ポケットの「ふわりぃプレミアムⅡコンパクト」
大手ランドセルメーカー協和のふわりぃプレミアムⅡコンパクトです。背負いやすさを追求した、立ち上がった3D肩ベルトやクッション材など今日のハイテクランドセルに欠かせない機能はもちろんすべて搭載されているので、今更機能について詳細解説する必要は無いでしょう。
最大の特徴は、今まで使い所のなかった中途半端なサイズの中マチと小マチの構造を一新した点です。ファスナーの付いた小マチ(前ポケット)を思い切って廃止し、そのぶん中マチを大型化して筆箱を収納できるサイズにしました。
大型化した中マチは、従来までの縫製によって作るタイプではなく、機械でプレスすることで一体形成する全く新しい構造のものを採用しています。
革新的な構造は中マチだけではなく、独立型のダルマカンを採用しています。下ベルトと本体を繋ぐダルマカンは、従来は錠前と一体となったパーツとして大マチ底部の中央に取り付けられていました。
しかし、このモデルでは、ダルマカンは左右独立して大マチ底部の端に取り付けられています。普通に考えればこのような構造のほうが肩ベルトの可動の自由度が上がり合理的な構造であるのは一目瞭然なのですが、見慣れない新構造ということもありまだなかなか浸透していないようです。
錠前もダルマカンとは分離された新パーツになっていて、ワンタッチでロックできるマグネット式のロックになっています。機能性はこちらのほうが優れているはずですが、見た目に新しすぎるため購入を躊躇する気持ちもわかります。
広がる中マチの「ふわりぃ プレミアムⅢコンパクト」
ふわりぃプレミアムⅡコンパクトは革新的な構造で性能は申し分ないのですが、ランドセル選びは保守的な方が多く、新し過ぎる構造でなかなか幅広く受け入れてもらうには至らなかったようです。
きちんと店員さんが機能を説明して機能性を納得してもらっている鞄屋さんではかなり売れているそうですが、お客さんが勝手に見て買うような量販店では見慣れない見た目の構造で嫌厭する人が多いようです。
そこで登場したのがふわりぃプレミアムⅢコンパクトです。こちらのモデルは、形成ポケットではなく従来までの縫製された中マチに小マチポケットが付いた構造になっています。また、ダルマカンと錠前が一体になったパーツが採用されており、従来までのランドセルの見た目になっています。
そのため、斬新な構造でふわりぃプレミアムⅡコンパクトを嫌厭していた方でも安心して購入できます。しかし、大型の中マチを採用しながら小マチポケットまで付いているため、従来のものよりも重くなってしまうことになります。
そこでエフセルエコライトという新開発の軽量で頑丈な芯材を採用することで、従来品と変わらない重量を実現しています。従来品と変わらないということは、元々非常に軽いふわりぃランドセルですから、沢山収納できる大型モデルでありながら他社製品よりも軽いくらいなのです。
見た目の形的には見慣れた従来のランドセルでありながら、筆箱を収納できるサイズの中マチを持つ大容量の大型モデルなのです。お値段も、ふわりぃプレミアムコンパクトとは4000円差、ふわりぃプレミアムⅡコンパクトとは2000円差なので、非常におすすめできるモデルです。
お店によっては4万円台で販売されていますので、超高機能モデルでありながら、大手メーカー製の一般的な値段のモデルと同じ値段帯で購入できます。
中マチに筆箱を入れられる利点
以上2モデルを見てきまして、いずれも中マチを筆箱を収納できるサイズまで大型化している所が最大の特徴ですが、そのメリットは非常に大きいものです。
前述のとおり、従来の中マチと小マチは中途半端なサイズで、実際はほとんど使われていなかったのが現実です。しかし、大型化により実際に色々なものが収納できるようになりました。筆箱はもちろんのこと、従来はサイドのナスカンなどにかけていた給食袋なども収納できます。
ランドセルの外側にぶらさげていたものを中に収納できるメリットは大きく、ぶらぶらしないだけではなく安全面でも有効です。また、筆箱を大マチではなく中マチに収納することにより、大マチに余裕ができ、体操着袋など従来は手で持ったりしていた物や、サブバッグに収納する必要があったものなどがランドセルの大マチに収納できるようになります。
今まで外にぶら下げたり、手で持っていたものがランドセルに収納できるようになるメリットは、登校の快適性や安全性という面でも非常に意義のあることです。
従来まではあまり意味のないスペースであった中マチと小マチを有効に活用できるモデルは、今後のランドセルの主流となっていくことでしょう。