セイバンのランドセルの背負い心地を実現する機能「天使のはね」とは
言わずと知れた業界ナンバーワンの販売数を誇ランドセルセイバンの「天使のはね」ですが、ブランド名にもなっている天使の羽というのはそもそもどのような機能なのでしょうか。
天使のはねというのは、肩ベルトの付け根部分、つまり背カンとの接続部分付近の肩ベルト内部に入っている翼のような形をした特殊部品になります。
このパーツにより肩ベルトの付け根部分がぐっと立ち上がり、肩ベルトが肩にしっかりフィットし、結果として背当てが背中に隙間なくフィットするようになっています。
肩ベルトの付け根が立ち上がる機能は登山用のザックには当たり前の調節機能として付いていますが、一昔前までのランドセルにはありませんでした。
今日ではこういった立ち上がった肩ベルトは、天使のはね、フィットちゃん、ぴったんこラクティなど名称こそ違えど、多くのランドセルメーカーのランドセルに採用されています。一部の昔ながらのランドセル作りをしている工房系ランドセルには搭載されていません。
肩ベルトの根本が立ち上がっていないと、肩ベルトが後にずり下がってしまい、背中と背当て肩ベルトの間に三角系の隙間が出来てしまいます。こうなると背負い心地が悪化し、体感重量も増してしまいます。
天使の羽のようなリフトアップされた肩ベルトの付け根と、体に合わせてフィットする3D形状の肩ベルトは、現代の背負い心地を追求したランドセルには必須の機能といえます。
天使の羽だけではないセイバンのフィットする機能性
この付け根の立ち上がった肩ベルトだけではなく、様々な機能性を考えた構造がセイバンのランドセルには採用されています。
まず、肩ベルトの形状は従来のまっすぐ直線的な形状ではなく、S字に湾曲した形状になっています。これは3D形状の肩ベルトと呼ばれていて、背負った際に体にフィットする形状になっています。
そもそも、肩から胸、脇腹にかけての体の膨らみにフィットするには直線的な肩ベルトでは役不足です。体の曲線に合わせた複雑な3D形状の肩ベルトが必要になるのです。
さらに、セイバンのランドセルの肩ベルトには、クッション性が高く傾斜のついた「ラクパッドフレックス」というクッション材が入っています。こういった肩ベルトのクッション材は現代のランドセルには必須の機能で、固い革や人工皮革の肩ベルトは時代遅れです。
下ベルトには「ひねピタ」という、自在にひねることが可能な新素材プレートを内蔵しています。これにより、肩ベルトと下ベルトを接続するバックルを外側にひねり、腰に金具が当たるのを避けることが出来ます。
また、「ぴたっこ」と呼ばれるバックルの金具は、金具自体がひねりを加えられた形状で、わき腹に当たりにくくなっています。
肩ベルトとランドセル本体をつなぐ背カンには左右連動背カンが採用され、右肩ベルトと左肩ベルトが同じ角度で開閉するため、走ったり跳ねたりしても重心が一定に保たれ、ランドセルが背中の中心にキープされます。
他社の機能も似たり寄ったり
こうのように背負い心地を追求するために様々な機能が満載されているセイバンの天使の羽がシェアナンバーワンを獲得しているのは不思議な事ではありません。
ただ、こういった先進的な機能性は何も天使のはねの専売特許ではありません。同じ大手のふわりぃやフィットちゃんなどのランドセルにも搭載されています。
また、最近では中小のメーカーや工房系のランドセルも、こういった先進的な機能を盛り込んできていますので、比較的どのようなランドセルを購入してもその恩恵に預かれます。
昔のランドセルより遥かに大きくなっているにもかかわらず、はるかに軽く、そして格段に背負いやすくなっているのが現代のランドセルなのです。
ただ、相変わらず昔ながらのランドセル作りを行っている昔気質の工房系ランドセルもあるので、しっかり背負いやすい機能になっているか確認してから購入しましょう。
変わらない伝統よりも先進機能が勝るのは疑いようもない事実です。
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